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塩見直紀&吉度ちはる編著 『実践者が語る 半農半Xのいまとこれから』 好評発売中!

塩見直紀&吉度ちはる編著

 

写真撮影:伊藤愛輔

デザイン:吉度天晴

 

サイズ:A4(ヨコ297 × タテ210ミリ)

122ページ・オールカラー

価格:1,800円(税抜き)

 

トークに登場していただいた方々

Yaeさん(半農半歌手)

林良樹さん(半農半NPO法人理事長)

今西徳之さん(半農半お助け隊)

中島デコさん(半農半マクロビ料理研究家)

手塚幸夫さん(元半農半教師)

葛岡誠さん(半農半焼きそば屋)

寺田優さん(半農半蔵元当主)

髙坂勝さん(半農半NPO、元半農半オーガニックバー店主)

マイケルやもさん(半農半マイケル)

渡貫洋介さん(半農半むかし暮らしの宿)

岩崎致弘(半農半オーガニック村づくり)

西森里奈さん(半農半カフェ&自然食品店)

内山清市さん(半農半Cafe&ゲストハウス)

西浦はるみさん(半農半まこも枕)

森 雄翼さん(半農半ゲストハウス&コンポストトイレ屋)

「半農半X」の意味

 

「半農半X」の提唱者、塩見直紀さんを改めてご紹介したいと思います。

1965年、京都府綾部市生まれ現在同市在住。カタログ通販会社フェリシモに約10年在籍していましたが、33歳を機に故郷の綾部へUターン。

2000年「半農半X研究所」を設立されました。21世紀の生き方、暮らし方として、「半農半X(エックス=天職)」コンセプトを20年前から提唱し、著書に『半農半Xという生き方【決定版】』などがありますが、半農半X本は翻訳され、台湾、中国、韓国でも発売されておりまして、塩見さんは海外講演もおこなっています。

若い世代のX応援のために、コンセプトスクールや半農半Xデザインスクール、綾部ローカルビジネスデザイン研究所、スモールビジネス女性起業塾(京都府北部対象)などもおこなっています。

塩見さんは、「半農半X」の「X」を、天職、使命、ミッション、ライフワーク、生きがい、役割としています。大好きなこと、やりたいこと、天職と思えることを仕事とし、家族の自給程度の「小さな農」の実践が「半農半X」の理想形といえますが、決して「半々」にこだわるものではありません。「半農半X」のスタイルは人それぞれ。都会のアパートで空き缶に土を入れ、種を播くところから、「半農半X」はスタートしているのです。

私は2007年に出版した『半農半Xの種を播く』(コモンズ)で初めて塩見さんと編集の仕事をご一緒しました。この本から11年たった昨年、今の時代に求められる新たな半農半Xの本を作りたいと思いました。

 

本に登場する方々のプロフィール

 

次に、今回トークセッションに登場していただいたみなさんのプロフィールをご紹介しましょう。それぞれのプロフィールを読んだだけで、多彩なXと多彩な農の形が見えてきて、ちょっと興奮してきませんか? 話を聞いてみたい、って思いませんか?

 

千葉県鴨川市・鴨川自然王国でのトークに登場していただいた方々

 

Yaeさん(半農半歌手)

故藤本敏夫・歌手加藤登紀子の次女。

2001年、アルバム「new Aeon」でデビュー。1stマキシシングル「風のみち」を発売。テレビ朝日系の「素敵な宇宙船地球号」のエンディングテーマに抜擢される。以後、数々のCDをリリースし、 コンサート活動のほか、テレビやラジオにも出演し、CMソングも歌う。

2007年より全国の農山漁村をめぐる「種まきライブツアー」をスタートさせる。同年、NHKの「産地発!たべもの一直線」にレギュラー出演。この年から始まった「土と平和の祭典」では実行委員長を務めたが、2010年には5万人の来場者となる。

現在は、三児の母となり家族と共に千葉県にある自然豊かな「鴨川自然王国」で、農も取り入れたスローライフを送りながら、今までの経験を生かし、ライブ中心に活動し、様々なアート(ダンスや演劇、美術や空間デザインetc...)とのコラボレーションや海外のミュージシャンとの演奏活動も、全世界的に活動を広めていこうとしている。

Yae公式HP

http://www.yaenet.com

 

林良樹さん(半農半NPO法人理事長)

千葉県木更津市出身。NPO法人うず理事長。さまざまな職業を経験した後、アメリカ、アジア、ヨーロッパを放浪。その後、1999年に鴨川に移り住む。家族や猫・犬・鶏と農的生活を送りながら、「半農半アーティスト」として活動してきた。

現在、古民家「ゆうぎつか」を運営しつつ、「美しい村が美しい地球を創る」をテーマに、釜沼北棚田オーナー制、無印良品 鴨川里山トラスト、釜沼木炭生産組合、地域通貨あわマネー、千葉大学国際教養学部 鴨川実習など、人と自然、都会と田舎をつなぐ多様な活動を行っている。

ブログ 里山という「いのちの彫刻」

https://www.muji.net/lab/blog/kamogawa/

 

今西徳之さん(半農半お助け隊)

大学卒業後、農的生活にあこがれ日本各地を回る。友人の縁から南房総、鴨川市に移住、自給自足生活を始める。

その後「安房手作り醤油の会」、「里山生活お助け隊」など地域の自給や自立をテーマにした活動にかかわる。

ごみ処理問題や残土問題に取り組む「環境ネット安房」の共同代表やメガソーラー建設に反対する「鴨川の山と川と海を守る会」の事務局を務めている。

「里山生活お助け隊」の紹介記事

http://localnippon.muji.com/news/1347/

 

千葉県いすみ市・慈慈の邸でのトークに登場していただいた方々

 

中島デコさん(半農半マクロビ料理研究家)

16歳でマクロビオティックに出会い、23歳で結婚を機に実践。自宅で料理教室を始める。5人の子供を育てあげた経験に基づく料理指導が、多くの母親たちの支持と共感を得る。

1999年千葉県いすみ市に、田畑つき古民家スペース「ブラウンズフィールド」を設け、世界各国から集まる若者達とともに、田畑を耕し調味料を作り、持続可能な自給的生活をめざす。ブラウンズフィールド内に、週末カフェ「ライステラス」、イベント宿泊スペース「サグラダコミンカ」、ナチュラルオーベルジュ「慈慈の邸」、ナチュラルストア「アサナ」をオープン。

国内外で、講演会やマクロビオティック料理講師として活躍中。料理本やエッセイ等、著書多数。

「ブラウンズフィールド」のHP

http://www.brownsfield-jp.com

 

手塚幸夫さん(元半農半教師)

生物教員として35年間勤めたのち退職。1987年より複数の自然保護団体の事務局長を務める。

1997年から稲の力にゆだねる米作りを始める。2008年からは、耕作放棄された谷津田の再生に取り組んでいる。

生物多様性の地域戦略作り関わり、ちば生物多様性県民会議代表、生物多様性いすみ戦略策定委員会副委員長を務める。

2015年6月、房総の野生生物と生物多様性に関する研究・情報発信する組織として、「房総野生生物研究所」を設立。

 

葛岡誠さん(半農半焼きそば屋)

20代は、半旅人半フリーターで、アジアを中心に旅し、各地の料理を食べ、たくさんの刺激を受ける。しかし、日本のご飯が一番、と和食の魅力を再確認。一念発起して、札幌にて和食や懐石料理などを学ぶ。30代に入り、以前から憧れていた中南米を放浪。路上で音楽をやったり、自作のアクセサリーを売るなどしながら、自分の人生に大きな影響を与えた、ヒッピー的な旅を2年以上続ける。

帰国後、結婚、妻の出産などを機に雇われ料理人を辞め、その後縁あって焼きそば屋になる。40代になって独立し、イベント出店専門で営業する「こがし焼きそば三ツ星」をスタート。自営で時間の自由ができた事により、以前よりやってみたかった自然農を始め、現在に至る。

「こがし焼きそば三ツ星」のFacebookページ

https://www.facebook.com/こがし焼きそば三ツ星-266610846852800/?ref=bookmarks

 

千葉県香取市・カフェうふふでのトークに登場していただいた方々

 

寺田優さん(半農半蔵元当主)

1973年生まれ。学生時代には豪州、東南アジア、アラスカなど世界各地を放浪。大学卒業後は動物番組制作のカメラマンとして活動。

2003年千葉の蔵元「寺田本家」に婿入りし、発酵の素晴らしさに魅せられて酒造りの修行に励む。

2012年に24代当主になる。

寺田本家では原料に無農薬米を使用し手作りにこだわる。主力商品は「五人娘」「香取」「むすひ」など。『身体が喜ぶお酒』を追究する精神を受け継ぐ。

2008年からは千葉県一の小さな町・神崎を発酵の力で元気にするべく「こうざき発酵の里協議会」を立ち上げて代表世話人を務める。

著書に「麹・甘酒・酒粕の発酵ごはん」(寺田聡美氏と共著)がある。

「寺田本家」のHP

https://www.teradahonke.co.jp

 

髙坂勝さん(半農半NPO、元半農半オーガニックバー店主)

Organic Bar 「たまにはTSUKIでも眺めましょ」を独りで14年間営み、2018年3月にフェイドアウト。

千葉県匝瑳市に軸足を移し、NPO 「SOSA PROJECT 」創設運営し、「自給/自立/自信」をテーマに、米と大豆の自給や、移住者の支援活動を行って、グローバル化を超えたローカル化へ、先に歩む。

緑の党グリーンズジャパン 初代共同代表。脱成長ミーティング 発起人。

著書に『次の時代を、先に生きる』(ワニブックス)、『減速して自由に生きる ダウンシフターズ』(ちくま文庫)がある。

「Sosa Project」のHP

http://sosaproject.jp.net

 

マイケルやもさん(半農半マイケル)

マイケルのメッセージを未来に伝える”自称MJトリビュート・パフォーマー”。

2009年より音楽とチャリティ、地球環境保全をつなげる数々の活動を展開。2010年、1人1つ社会貢献をするソーシャル・ライブ、「ヒストリー・ライブ」開始。2011年、マイケルの歌とダンスとチャリティをつなげる「アースデイwithマイケル」創設。2012年、福島の仮設住宅訪問「マイケルふれあいステージ」を開始。2017年には妻の佐智子さんとともに無農薬・自然栽培マイラブファームを開園。

無農薬自然栽培マイラブファームのHP

http://mylovefarm.jp/

 

高知県土佐町・笹のいえでのトークに登場していただいた方々

 

渡貫洋介さん(半農半むかし暮らしの宿)

千葉県生まれ。結婚を期に、妻中島子嶺麻の母親である中島デコが営む「ブラウンズフィールド」(千葉県いすみ市)に住みはじめ、コミュニティでの経験を積む。3.11後、生きていくのに何が大切かを再確認。身の丈に合った暮らしがしたいと移住先を探しているときに、土佐の山で理想の家と出逢う。仲間とともに改修し、2015年に「むかし暮らしの宿 笹のいえ」をオープン。

子育てや田畑作業に右往左往する毎日だが、地域の人たちに支えられて、農を中心とした手づくりの循環的暮らしを家族と一緒に楽しんでいる。

「むかし暮らしの宿 笹のいえ」のFacebookページ

https://www.facebook.com/sasanoie.kochi/

 

岩崎致弘(半農半オーガニック村づくり)

20年間の音楽・芸能・食のマネージメント業を経て、2016年に東京から淡路島へ移り住み、自然栽培での田畑や廃材DIYなどを経験。

その後、キャンピングカー暮らしの旅に出て、徳島県海部郡の山奥にある秘境の里「久尾」にインスピレーションを感じ、2017年7月に移住。 自然を愛するよろずや「久尾 岩崎屋」をはじめ、「久尾自然農園」「久尾茶草」を立ち上げ、自然と共に循環する暮らしを目指し、仲間たちと田畑や場づくりをやりつつ、オーガニック村づくりを進めている。

[Instagram]  久尾 岩崎屋  kuo.iwasakiya  久尾自然農園  kuo.natural

 

西森里奈さん(半農半カフェ&自然食品店)

「地球一個分のライフスタイル」を目指すなかで、マクロビオティックと出逢う。2014年4月〜2016年12月まで、千葉県いすみ市のブラウンズフィールドのカフェスタッフとして在籍。2017年に徳島県海陽町へ移住。パートナーの岩根崇也さんと屋号を「littleterra」と決め、2018年11月Cafe&Grocery 「little terra ocean」をオープンし、ワークショップや料理教室なども開催している。

「little terra」のFacebookページ

https://www.facebook.com/Little-Terra-188687015229586/

 

和歌山県熊野川町・縁ga環でのトークに登場していただいた方々

 

内山清市さん(半農半Cafe&ゲストハウス)

東日本大震災をきっかけに自分たちの生き方について考え、2013年に会社を退職。知人から千葉県成東市の田んぼを借り、自然農でお米作りをする。その時収穫したお米や野菜が美味しくて、人が集える場所として2014年に大網白里市の自宅でカフェをオープン。

2016年に、より自然を求め熊野に移住。空き家を自分で改修しカフェとゲストハウスをオープンする。

Cafe & ゲストハウス「縁ga環」のHP

https://kumanoengawacafe.wordpress.com

 

西浦はるみさん(半農半まこも枕)

「半農半木こり」の夫と、ふたりの娘と、2004年から熊野本宮の地で暮らし、2009年より田んぼをはじめる。

ご縁があってすすめられ、2014年からまこも栽培をはじめ、屋号を「くま野良」とする。まこも茶の原料としての葉や、まこもたけ、また自然栽培のお米などを提供しつつ、まこもの干し葉を詰め物にした、まこも枕「mamacomo 麻と真菰の枕」を製造・販売。

また、まこもとフラワーオブライフを結び、意識と自然との調和を、日々の暮らしのなかに創りだすためのプロダクトを推進中。

くま野良のHP

http://kumanora.jp

 

森 雄翼さん(半農半ゲストハウス&コンポストトイレ屋)

オフグリッドゲストハウスikkyuオーナー。コンポストトイレ作家。ブロガー。2児の父で、現在29歳。

原発事故をきっかけに電力の自給、食料の自給に興味を持ち、和歌山県の熊野地方へ移住。3年間の地域おこし協力隊期間中にゲストハウスとトイレ作り事業を立ち上げ、現在は電力自給のワークショップやコンポストトイレ作りワークショップを各地で開催。そのノウハウを広めることに力を入れている。

eco暮らしのノウハウを伝えるブログ「ecoばか実験室」は、月間約10万PVの閲覧数。これからはeco実験youtuberに挑戦する予定。

guesthouse ikkyuのHP

http://offgrid.fun

 

本に載せるトークセッションの内容

 

トークセッションでは、「半農半X」提唱者の塩見直紀さんと相談して、以下についてみなさんにお話しいただきました。

・現状認識

  今の世の中をどう思うか。

  結局、希望はどこにあるか。

・それぞれの半農半Xの報告

  始めたきっかけとこれまでの経過、現在の様子。

・まわりの半農半X人を紹介

  実践している知り合いの農とXを紹介。

・今後やりたいこと、やり残したこと

・これからの日本

 

5組で行ったトークセッションは、本当に素晴らしかったです! ここでほんのちょっとだけなら、ご紹介してもよいかな〜。

 

千葉県鴨川市・鴨川自然王国にて

 

最近の私のテーマはサバイバル。ここはシェルターになりえるよねって話してたんです。生きていくのに必要なのは水と食べ物、エネルギーでしょ。お米も野菜も作っているし、湧き水があるし、薪になる木もあるから暖房も困らない。薬草の知識も得ていけば、医療だってね。ここなら、何が起きても大丈夫! 王国をやっていく意味はそこにあるって思うんです。(Yaeさん)

 

ぼくは小学校2年でショッキングなことがあり、以来ずっと自分の居場所を求めてきた。アジア、ヨーロッパを旅したときに出会った農夫が廃材で家を手造りしていて、自然農をしているベジタリアン。自由に暮らしているのを見て、『これだ! これが未来だ!!』って思ったんだ。鴨川の里山に建つ空き家に暮らすようになって、ぼくは土の上で癒された。いま、その頃のぼくのように苦しい人がたくさんいる。(林良樹さん)

 

お助け隊を始めたのは2008年。当時は定職もつかず、ブラブラしている人間が鴨川に多かったんだよね。そんな半農半ブラブラ仲間と里山里海研究会っていう集まりを毎月やっていたんだけど、単身・高齢世帯が増えているなかで便利屋みたいなことをしようということになり。『お助け隊』という言葉が空から降ってきたんだよ。(今西徳之さん)

 

千葉県いすみ市・慈慈の邸にて

 

経済優先で私たちが作ってきたもののケツをふいていかなきゃならないよね。今を大事にすることからやるしかない。今の連続が未来を作っていくのだから。ブラウンズフィールドは、米は100%自給。麦も大豆も作って、それを原料にしてみそも醤油も作る。梅干し、梅酢、柿酢も自給。『俺ら、最先端!』とか言っていると、若い子たちが振り向くようになって、集まってくるようになってきた。最近は、社会経験がきちんとあって、スキルがある上でのオーガニックや半農半Xって子たちが多いんですよ。底上げされている気がします。(中島デコさん)

 

25年間、半農半教師をやってきたけれど、教師の仕事はとても忙しくて、毎年米作りをやめようと思ってたかな(笑) 教師をやめようと思ったこともあるけれど、子どもと食べものの距離感が大きくなったことに気づいて……。修学旅行の前の調査で、食べられないものを伝える子が増えてきた。かつては40人のクラスで1人くらいだったのが、今は5人から10人出る。明らかにアレルギーの絶対数が増えています。これは教師をやめないで、そのことはきっちり言わないといけないと思いました。(手塚幸夫さん)

 

長くのびた雑草だらけの畑に、あずきや大豆の種をまいて、そのあと草刈りして、上からかぶせておくんです。こうすれば、鳥に食べられない。あとは何もしなくても、大きくなる。収穫はちょっと大変だけど。里芋は掘るときに1個残しておけば、次にまた増えるから、わざわざ植えなくてもいい。やきそば屋は店での営業をやめ、週末だけイベント出店する形に変えたし、作物は手間をかけなくてもできるものだけ作っているから、時間があるんですよ。(葛岡誠さん)

 

千葉県香取市・カフェうふふにて

 

夏は米作り。冬はお酒造り。両方があるから続けられる。この一年のサイクルがあるから、両方ともすごく充実している。農作業は難しいことを考えないで、同じことを繰り返しやることが多い。目の前のことに向き合う時間。マインドフルネスのようだ。そうやって魂をやしなうことも、農作業の一つのやりがいじゃないかと思います。いま、田植えや稲刈りには100人くらいが来る。草刈りは10人とか、少ないと5〜6人。草刈りは1列往復で1時間かかるんですよ。(寺田優さん)

 

百貨店に勤めていたときは前年比に追われ、日々競争のなか、『電車に飛び込みたい』とまで思いつめ、逃げるようにして会社をやめた。塩見さんの本を読み、講演を聞いて、オーガニックバーでお客さんに、『半農半Xっていう生き方がいい』と伝えていたけれど、『俺、やってないじゃん』と気づき、10年前から田んぼを始めたんだよね。お客さんを連れていくから3年目には20〜30組が来るようになり、地元の要請もあってNPOに。いまでは、毎年80組が田んぼをやりに来ます。(髙坂勝さん)

 

人類はどこへ言ってしまうのか、不安に思う。自然界にないものを作り続けてきて、こうなってしまった。7世代先まで考えて行動するという先住民の知恵を大切する生き方をしなければと思います。マイケルジャクソンは歌のなかで大自然に敬意をはらっています。マイケルのメッセージを受け継いで伝えていきたい。パフォーマンスを通して、よりよい世界にしていきたい。世の中をよくしていくという意味で、農と食だと思ったんです。それで、1年間農園で修行して、農園を始めました。(マイケルやもさん)

 

高知県土佐町・笹のいえにて

 

最初はあれもやりたい、これもやりたいで、田舎暮らしというと自給自足というキーワードが言われますけど、やっぱり大変なんですよね。それは、無理してそんなことしなくていいわーって思って。今は「自給他足」って仲間うちで言っているんですけど。自給はするけど、足りなかったら買ったり、いただいたりすることも多いので。あとは、物々交換したりとか。(渡貫洋介さん)

 

ちゃんと畑やるっていうと、作業も多いし、それこそお守りもしなくちゃいけなくて、半農半Xじゃなくて、全農になっちゃいます、みたいなことが多いと思うんですけど、僕なり誰かなりが、畑っていう1本軸引いておいて、入れるところだけ入るって感じ。「稲刈りはみんなよろしくね」とか、「種まくときはよろしくね」とか、「このタイミングの草刈りは全員でやろうぜ」みたいな。(岩崎致弘さん)

 

自分たちが目指す「地球1個分のライフスタイル」に向けて、どれだけ時間がかかるかわからないけど、気持ちとかモチベーションとか、そういったところと丁寧に向き合いながら、どれだけ近づいていけるのかな。本当にやりたいことを、どうやってやっていけるのかな。与えられた環境のなかで、丁寧に暮らしていけたらなと思ってます。(西森里奈さん)

 

和歌山県熊野川町・縁ga環にて

 

「縁ga環」はそのままかな。まあ、全部。すべて。地球もそうだし、宇宙もそうだし、土、動物、人、全部つながっている。環になる。いろんな人が来て、いろんな人と出会って、そこでまた環広がっていく。これが「縁ga環」という屋号の由来。(内山清市さん)

 

熊野っていう土地が自然信仰とかが深かったりするので、そこに根ざした上の農業含めた生活、暮らしがあって。だから、根っこをちゃんとつかまないと、ということろがあって。たぶん、熊野はそこをつかみやすい土地かなっていうのをすごく感じています。(西浦はるみさん)

 

「guesthouse ikkyu」という宿は、エネルギー自給の宿をコンセプトにしているんですけど、そこで薪ボイラーだったり、薪コンロであったりとか、エネルギーを自給する設備を自作しています。買えばあるんですけど、40~50万とかするので、それを安く作って販売したり、アイデアを提供していったり、そういうことをしていこうかなと思っているんです。(森 雄翼さん)

 

最後に

 

日本は確実にいい方向に向かっている!

そう強く感じた取材ツアーでした。

半農半Xの実践者が増えれば、人々はもっと健康になってもっと明るくなって、日本はもっと楽しい国になるはず。

この本は、半農半X人をドンドン増やすに違いない。そう思うのです。

一緒にオセロをひっくり返していきましょう。

 

 

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